レトルト袋の特徴について
RETORT BAG
目次
レトルト殺菌の重要性
食品加工工場などにおいては、食中毒に関わる病原菌は大きな問題となりますので、微生物の抑制・死滅などの処理を行うことにより安全性を高める必要があります。
特に、人体に有害で最も耐熱性のあるボツリヌス菌による食中毒にかかると致死率が30~50%を占めます。このボツリヌス菌の食中毒防止に対し、低酸性食品(pH=4.6以上)は食品衛生法上加圧加熱殺菌(レトルト殺菌)が法定化されています。
レトルト殺菌について
人体に有害な微生物を死滅させるのがレトルト殺菌です。レトルト殺菌の条件は、「121℃で4分間あるいはそれと同等以上の殺菌」であることが食品衛生法で定められています。
ただし、条件は容器の大きさや食品の熱伝導によって異なり、安全を見込んで10~20分以上の加熱が行われる場合がほとんどです。(1人前のカレー、シチューなどは120℃30分が標準。)
レトルト殺菌とボイル殺菌の違い
ボイル殺菌…100℃未満のお湯の中で殺菌する方法(煮豆、佃煮、練り製品など中酸性食品に利用)ボイル対応の袋一覧はこちら
レトルト殺菌…100℃以上の蒸気や加圧熱水を利用して殺菌する方法(カレー、スープ、おでんなどの低酸性食品に利用)
酸性食品(pH=4.6未満)では、100℃未満の常圧加熱殺菌が可能ですが、低酸性食品(pH=4.6以上)では、100℃以上の加圧加熱殺菌が必要となります。
特に、「pHが4.6を超えかつAw(水分活性:微生物が利用できる自由水の割合)が0.94を超える食品」はボツリヌス芽胞菌の殺菌のため「中心部温度を120℃4分間加熱する方法またはこれと同等以上の効果を有する方法で殺菌する」と製造基準が定められています。
なお、レトルト殺菌用の袋に使用されているフィルム(CPP)の耐圧強度はあまり強くありません。
そのため、圧力調整ができない装置を使用すると破袋の危険性があるため、レトルト殺菌用の袋は基本的に「ボイル殺菌対応不可」とさせて頂いております。(圧力調整ができるボイル殺菌装置の場合はその限りではありません。)
レトルト殺菌に必要なもの
レトルト殺菌を行う場合は、
・レトルト殺菌装置
・レトルト殺菌機
・レトルト釜
などと呼ばれる、温度・時間・圧力を精密に調整できる装置が必要になります。
このようなレトルト加工機器を揃えることが困難な場合は、レトルト加工そのものを他社へ委託するというのも選択肢の一つとして検討できます。